「家電Wiki」シリーズは、家電製品の気になる機能の特徴と仕組みを解説いたします。
今回紹介するのはシャープの縦型洗濯機に搭載されている「穴なし槽」についてです。
「穴なし槽」とは
「穴なし槽」は通常の洗濯槽にある脱水用の穴がない洗濯槽です。洗濯槽に穴がないことでいくつかのメリットがあり、シャープは1992年以来1200万台もの台数の販売をしてきました。
機能の仕組み
通常の洗濯槽は側面に多くの穴が開いていて、脱水するときに洗濯槽を回転させ、その穴から排水します。
穴なし槽ではその穴がないので、どうやって脱水をしているのでしょうか。
実はシャープの洗濯槽は槽の側面が約1°外側に広く傾いています。さらに高速で洗濯槽を回転させることで、遠心力によって水分が上のほうに上っていきます。 洗濯槽の上部の円周部分には穴が開いており、そこから脱水をすることで、穴が開いていなくてもしっかり脱水ができる仕組みになっています。
使用のメリット
カビの付着を抑える
洗濯槽のカビは外側の槽と内側の槽の間や底面に付着していることが多いです。通常の洗濯槽の場合は内側の槽に穴が空いているので、隙間に発生したカビが水を通じて内部に侵入して、衣類に付着してしまいます。
「穴なし槽」の場合は外側と内側の槽の間に発生したカビが、内側の槽の穴がないため行き来できずに、洗濯物にカビが付着してしまうことがありません。
どんなにカビが発生していたとしても内側には侵入できない構造なので、カビが付着することがないということです。
ただ、逆に外側と内側の槽の間に水が溜まらないので、槽洗浄をするのがかなり大変になります。槽洗浄のためには排水ホースを取って上に向けて引っかけたりと大掛かりになります。
節水になる
通常の洗濯槽では水を溜める時に外側の槽の容量分水が溜まります。しかし、穴なし槽の場合では内側の槽の分しか溜めないので、その分溜める水が少なく節水につながります。11kgの機種で15Lの節水に繋がるそうです。
というわけで今回は、シャープの縦型洗濯機に搭載されている「穴なし槽」についてご紹介いたしました。カビが気になる方にはおすすめの機種になっていますが、こまめに洗いたい方には向かないかもしれません。
どこまで求めるかで刺さるか刺さらないかが変わってきますので、自分のニーズを理解して選ぶのがおすすめとなります。
シャープのホームページも載せておきますので、よろしければチェックしてみてはいかがでしょうか。
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